【書評・要約】「夢をかなえるゾウ」(文庫版) 水野 敬也 著
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「夢をかなえるゾウ」
- 「夢をかなえるゾウ」
- 本書の紹介
- 本書のポイント
- ガネーシャの課題
- ポイントのまとめ
- 「1.靴をみがく」より
- 「4.人が欲しがっているものを先取りする」より
- 「7.まっすぐ帰宅する」より
- 「10.決めたことを続けるための環境を作る」より
- 「18.身近にいる一番大事な人を喜ばせる」より
- 「19.誰か一人のいいところを見つけてホメる」より
- 「20.人の長所を盗む」より
- 「21.求人情報誌を見る」より
- 「22.お参りに行く」より
- 「23.人気店に入り、人気の理由を観察する」より
- 最後の課題への導入部分
- 「25.やらずに後悔していることを今日から始める」(最後の課題1)より
- 「26.サービスとして夢を語る」(最後の課題2)より
- 「27.人の成功をサポートする」(最後の課題3)
- 「29.毎日、感謝する」(最後の課題5)より
- 最後に
本書の紹介
【基本情報】
題名:「夢をかなえるゾウ」
著者:水野 敬也
頁数:402p
出版社:飛鳥新社
発売日:2011/5/28(第1刷発行)
【あらすじ】※本書裏表紙より
ダメダメな僕のもとに突然現れた、ゾウの姿をしてなぜか関西弁で話す、とてつもなくうさん臭い神様”ガネーシャ”。聞けば、ナポレオン、孔子、ニュートン、最近ではビル・ゲイツまで、歴史上のキーパーソンは自分が導いたという・・・。しかし、その教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。こんなんで僕は成功できるの!?
本書のポイント
本書では「ガネーシャ」が「僕」に対して課題を出し、その課題から多くの気付きを得ながら物語が進んでいく。課題は以下のとおり。
ガネーシャの課題
- 靴をみがく
- コンビニでお釣りを募金する
- 食事を腹八分におさえる
- 人が欲しがっているものを先取りする
- 会った人を笑わせる
- トイレ掃除をする
- まっすぐ帰宅する
- その日頑張れた自分をホメる
- 一日何かをやめてみる
- 決めたことを続けるための環境を作る
- 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
- 自分が一番得意なことを人に聞く
- 自分の苦手なことを人に聞く
- 夢を楽しく想像する
- 運が良いと口に出して言う
- ただでもらう
- 明日の準備をする
- 身近にいる一番大事な人を喜ばせる
- 誰か一人のいいところを見つけてホメる
- 人の長所を盗む
- 求人情報誌を見る
- お参りに行く
- 人気店に入り、人気の理由を観察する
- プレゼントをして驚かせる
- やらずに後悔していることを今日から始める
- サービスとして夢を語る
- 人の成功をサポートする
- 応募する
- 毎日、感謝する
どの課題もシンプルながら、成功するために大切な要素が詰まっている。
それぞれの課題の詳細は、是非実際に本書を手に取って確認していただきたい。
ポイントのまとめ
ここからは、本書の中で私が特に気になったポイントを、自分なりにまとめて取り上げたいと思う。該当する内容が書かれているだいたいのページ数を記載しているが、複数ページに渡る内容を自分の言葉に変換していたり、その内容を受けての自身の感想等も含んでいるので、単純な抜粋ではない点に注意いただきたい。
「1.靴をみがく」より
・成功しないための一番重要な要素は、自分の考えにしがみついて「人の言うことを聞かない」こと。現時点でうまくいっていないにも関わらず、自分の考えに無駄に拘って時間を無駄にする。成功するためには不必要な拘りは捨てること。人の言うことはまずはネガティブではなくポジティブに捉え、極力やってみてから取捨選択すれば良いのである。(P37)
「4.人が欲しがっているものを先取りする」より
・「ビジネスの得意なやつは、人の欲を満たすことが得意なやつ」である。人にはどんな欲があって、何を望んでいるか、そのことが見抜けるやつ、世の中の人たちが何を求めているかがわかるやつは、事業始めてもうまくいく。本人もわかっていない欲、「何が欲しいか分からない」状態の人の欲を予想し、実現していくのが成功のカギである。(P62)
「7.まっすぐ帰宅する」より
・ほとんどの人間は自分から世の中に働きかけるのではなく、自分の周囲に「反応」して生きている。みんなが目指すから偏差値の高い大学を受験して、大企業に就職して、みんなに合わせて遊んで飲んで・・・。「反応」し続け、自分の人生を手に入れることなく一生を終える。周りに合わせすぎず、自分から世界に働きかけて自分の人生を作っていくことが大切。(P94)
「10.決めたことを続けるための環境を作る」より
・本気で変わるには、意識ではなく、具体的な何か(環境など)を変える必要がある。人間は意思の弱い生き物なので、意識だけでは継続できず、必ず誘惑に負けて元通りに戻るだけである。(P130)
「18.身近にいる一番大事な人を喜ばせる」より
・人間は、大事な人(家族や親友)をおろそかにして、そうでもない人に時間を費やす傾向にある。自分にとって大事な人は誰かを再確認し、感謝し、大切にすることを忘れないことが大切。(P203)
「19.誰か一人のいいところを見つけてホメる」より
・人は自分の自尊心やプライドを満たしてくれるところに集まり、人の自尊心やプライドを満たせる人は応援されて成功する。(P214)
「20.人の長所を盗む」より
・成功する人はマネするのがすごくうまい。コピーすることが、成長するためには一番効率が良い。人の良いところを常に探し、見つけたら積極的にマネしていく。(P225)
「21.求人情報誌を見る」より
・仕事で成功するには、自分がワクワクできて、自分の能力を一番発揮できる仕事を探す必要がある。嫌々仕事をする不利な状況の自分が、楽しく夢中で仕事する有利な状況の人間に勝てるはずがない。いろんな仕事を経験して、自分が有利な状況で戦える仕事を見つけることが大切。(P236)
「22.お参りに行く」より
・世の中のほとんどの人が凡人として生きているのは、人間が根本的に「面倒臭がり」だから。成功する人は少しでも可能性あることは何でもやってみる。「面倒臭い」「バカバカしい」「意味がない」と言って行動しない人間は、結局そこまで成功したいとは思っていない。(P244)
「23.人気店に入り、人気の理由を観察する」より
・優れた人、物、場所などの優れている点を観察し、その理由を明らかにし、自分に取り入れていく。成功するためには他の人と同じように見て感心するだけではいけない。(P256)
最後の課題への導入部分
・お金は人を喜ばせてもらうもの。そこで重要となるのは、自分が得意だったり楽しいと思えることで人を喜ばせることにより、人を喜ばせることが楽しいと思えるように変化していくこと。それが成功への近道。人間は嫌なことは続かない。(P272)
・期待しているかぎり、現実を変えることはできない。変われるとしたら、知ったことを実行し、経験すること、さらには習慣化することが必要。知るだけでは変われない。(P284)
「25.やらずに後悔していることを今日から始める」(最後の課題1)より
・何かを知ったばかりの時は新鮮さから実行できるが、習慣として継続して実行することは非常に難しい。それが実現できたとき、本質的に変わることができる。(P292)
・やりたいことを見つけるにはとにかく「体験」すること。「考える」はNG。特に優先すべきは「やらずに後悔していること」を「今」踏み出して「体験」すること。「いつか」「そのうち」は絶対やらない、将来の自分に期待しているだけで行動しない。それが大多数の人間。「今」やることで大多数の人間から抜け出せる。(P295)
・やりたいことやって後悔しないように生きた方が幸せなのはみんなわかっているが、様々な心配や不安からできない。そしてなんやかんや理由つけて結局やらず、最終的に死ぬときに後悔する。「後悔しないように生きろ」という言葉をよく聞くのは、それだけやりたいことができずに後悔しながら死んでいく人が多いということ。(P299)
「26.サービスとして夢を語る」(最後の課題2)より
・仕事は結局は作業。その作業に膨大な時間を費やすことになるため、自分が好きになれる、夢中になれる作業を選ぶことが幸せにつながる。(P304)
「27.人の成功をサポートする」(最後の課題3)
・人がやりたいこと、人が持っている夢、人がどうなったら幸せと感じるかを考え続け、どれだけ人を幸せにできるか。そのことにどれだけ喜びを見出せるか。人を幸せにすれば喜ばれ、認められ、応援され、お金が支払われる。たった一つの成功の秘訣。(P315)
「29.毎日、感謝する」(最後の課題5)より
・自分の心が満たされていない状態で人を幸せにすることはできない。自分の周りをかたちづくるすべてのものに感謝する。それらのおかげで自分は幸せである、満たされていると感じる癖をつける。その状態になってこそ、他人の幸せを考えることができるようになり、成功につながっていく。(P346)
最後に
本書は、よくある自己啓発本と異なり、物語を読み進めていく中で学びを得ることができる。また、その物語も非常にコミカルで、単純に面白い。普段ほとんど本を読まないという人でも読みやすい内容になっている。本書に出てくる「僕」と同様、自分を変えたいと思っているが、具体的にどうしたら良いかわからない方には特に読んでみていただきたい一冊である。