かぼたりあんの足跡

自由に。気ままに。

【書評・要約】「お金の大学」 両@リベ大学長 著


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「お金の大学」

 

 本書の紹介

【基本情報】

題名:「お金の大学」

著者:両@リベ大学長

頁数:272p

出版社:朝日新聞出版

発売日:2020/6/19

 

【概要】※朝日新聞出版より

貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う一生お金に困らない「5つの力」の基本!◎人生6大固定費の見直し方法◎必要な保険は3つだけ◎マイホームより賃貸をおすすめする理由◎おすすめの副業8選◎初心者でもプロに勝てる資産運用法◎やってはいけない投資の見抜き方すべて実践すれば、日本で上位8.4%のお金持ちに入れちゃう! ?生活・仕事・老後のお金の不安を減らし、自由に生きるためのノウハウがぎっしり!累計再生回数5300万回超! チャンネル登録者数36万人!日本一わかりやすいお金の教養チャンネル「リベ大」の誰も言わないけど、やれば人生が変わる〈お金の勉強〉超実践型バイブル!図解とイラストがぎっしりの全272ページフルカラー。

 

本書のポイント

本書では、自身の持つ資産を働かせることによって得る「資産所得」が「生活費」を上回る状態を、「経済的自由」と表現している。この状態に近づくために身につけるべき力を、「貯める力」「稼ぐ力」「増やす力」「守る力」「使う力」の「5つの力」として紹介している。

 

貯める力(固定費を見直す)

通信費を見直す

スマホ格安SIMで十分。月々の通信費が大幅に節約できるし、品質も大手キャリアとほぼ変わらない。違約金を払ってでも変更した方がお得になる場合がほとんど。

電力会社を乗り換える

2016年4月からどの電力会社から電気を買うのか選べるようになった。基本的に工事不要、ネットで簡単に申込みができる。まずはどのくらい安くなるのか、ネットでシミュレーションしてみるべき。

保険を見直す

日本には社会保険があり、傷病・障害・死亡・失業・老後・介護・出産費用等の大抵のリスクについては保障されている。よって、なんでもかんでも民間保険に加入して、無駄な保険料を支払うことのないようにする。

必要な民間保険は次の3つだけ。(起こる確率は低いが、備えず起こると取り返しがつかないことに保険をかける。)

①掛け捨ての生命保険(亡くなると生活に困る家族がいる場合のみ)

②火災保険

自動車保険

これら保険が対象となる出来事が起こると、数千万~数億円の損害賠償が発生するため、保険に加入して万が一に備えておく必要がある。

家にかかる費用を見直す

マイホームか?賃貸か?

リセールバリュー(売却時の金額)を意識した物件(土地)選びが可能な人はマイホーム、その自信がない人は賃貸にすべき。ただし、「人口減少・空き家増加・地価減少」と散々な状況の日本において、リセールバリューの高い物件選びは超高難易度であるため、ほとんどの人は賃貸を選んだ方が「経済的自由」に近づきやすい。

賃貸物件に住む場合、気をつけるべきポイントは次のとおり。

・賃貸契約時にぼったくられないこと(火災保険、保証会社、仲介手数料、礼金、害虫駆除、ハウスクリーニング、鍵交換等々の内容を確認)

・ 家賃は交渉できる(近隣の物件と比較して、常識の範囲内で)

・入居時だけでなく、退去時の費用もぼったくられないように内容を確認

・退去費用には火災保険の「借家人賠償」が使える。

・引っ越し費用にも気を配る。大手引越業者は基本的に高い。大手以外からも見積書をもらう。

車にかかる費用を見直す

車は金食い虫。公共交通機関の利用やレンタカーを都度使う等、できるだけ持たない努力をする。仕事や地理的にどうしても必要な場合、移動手段以外を求めることなく所有する(かっこ良さ等は不要)。また、最終的に売却した際、購入金額との差額を考えると自ずと選択肢は中古車に限られる。そして自動車保険はネット型で、車両保険は不要。

控除を活用して節税する

即効性のある節税対策は次のとおり。

ふるさと納税をする(ふるさと納税額-2,000円が控除される)

・医療費控除を申請する(年間医療費の10万円超えた分が控除)

・副業を始めて事業所得を得る(経費が使える、青色申告ができる、社会保険料の負担が減る)

 

稼ぐ力(経済的自由までの時間を短縮する)

経済的自由を達成するにはお金を生み出す資産を買う必要があるが、稼ぐ力が小さいと必要な分の資産を買うまでに時間がかかり過ぎる。まずは基盤となる「給与所得」を転職等によって条件の良いものにし、可能性を広げる「事業所得(副業)」にも挑戦していく。事業所得を得るための副業としては「せどり」「プログラミング」「ウェブデザイン」「動画編集」「ハンドメイド」「アフィリエイトブログ」「YouTube」「デジタルコンテンツ販売」等がある。

 

増やす力(お金のなる木となる資産を買う)

自分が働くことによって得られる「労働所得」ではなく、資産を働かせること(投資)によって「資産所得」を実現していく。

投資をする前に、会社員なら生活費6か月分、自営業なら生活費1年分の「生活防衛資金」を準備すること。その資金があれば急なトラブルにも対応できるという精神の安定が投資を成功に導きやすくする。

投資する場合は、株にしても債権にしても、ドルコスト平均法でインデックスファンドを定期的に積み立てることがおすすめ。そうすることでしっかり指数(インデックス)に連動した利益が出せるようになる。まだ何も始めていない人は、利益が非課税になる「つみたてNISA」から始めるのがおすすめ。

 

守る力(貯めた資産を減らさない)

守る力がないと貯めた資産を一瞬で失う可能性もある。その可能性を知っておくこと。

・詐欺やぼったくり(犯罪だけでなく、銀行や証券会社にも気をつける)

・浪費(経済的に豊かになると金銭感覚が狂いがち)

・被災、盗難等の被害(もしものことを考える。自分は大丈夫と過信しない)

・インフレ(過去に日本でもハイパーインフレは起きたことがある)

 

使う力(増やしたお金で人生を豊かにする)

「自由=幸せ」とは限らない。経済的自由を達成した人が、使う力がないばかりに孤独や不安を感じることもある。幸せな自由人として生きるには、良いお金の使い方をする必要がある。良いお金の使い方は次のとおり。

・人や社会との繋がりを実感できるお金の使い方(寄付・プレゼント)

・自身の心が豊かな浪費(見栄のためではなく、自分の価値感にあった浪費。他人にとって無価値でも良い)

・自己投資(自分の知識欲や好奇心を満たす。新たな「稼ぐ力」にも繋がる)

・お金で時間を買う(人生は時間そのもの。自分の時間を最大限活用するためにお金を使う)

 

まとめ

本書は、誰もが今よりも確実に経済的自由に近づけるよう、面白おかしく導いてくれている。その内容は非常にわかりやすく、特に「貯める力」の部分は簡単に実行できるものが多い。しかし、単純に節約するだけでなく、最終的に経済的自由を達成したいという方は、やはり「稼ぐ力」で取り扱う「事業所得(副業)」が重要になると考えられる。「事業所得(副業)」を具体的に実現していく場合、その段階の手法等は本書では多くは語られていないため、別の書籍で補うことが必要かもしれない。とは言うものの、「貯める力」を実行するだけで年間数万円~10万円以上も変わってくるため、この内容だけで本書の価値は十分過ぎるほどにある。Amazon等でも非常に評価の高い本なので、ぜひ一度手に取っていただけたらと思う。